きーとん

キング・オブ・コメディのきーとんのネタバレレビュー・内容・結末

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

自分は笑いの才能があると思っているパプキン。
ジェリーの文字通り狂信的なファン、信者とも言えるリタ。

ジェリーが少し時間をとって相手の本気に向き合っていれば、そんなことにはならなかっただろう。だが、ジェリーはあまりにも有名すぎ、仕事に忙殺され、不安な日々を送っていたので、そんな悠長なこと言っていられなかった。

パプキンは明らかにおかしな行動をとっているが、コメディの王と自負し、観客のパネルに日々自分を魅せる努力をしている姿は少しかっこ良くもうつった。

実際にあれだけの笑いのハードルを上げて見事に笑いを取る。こんな凄いことなかなかできない。

パプキンは空想で生きているようにみえて、実は努力を重ね、お笑いの実力、才能を持っている。それを本人もわかっているから、あのような周りからおかしく見られる行動をとったのだろう。本人の中では、ちゃんと相手してくれと思っているだけなのだろう。

イミテーションゲームのアラン・チューリングは誰かに才能を見てもらえたが、パプキンは誰にも見向きされなかった。パンプキンだのなんだのと名前をわざとらしく間違えるのもそれを印象付けていた。

一夜にしてコメディの王になりそして誘拐犯として伝説となる。

表舞台に立つ間(パプキンの服役中)にパプキンの事はファンや視聴者の中でどんどん大きな、面白い、カリスマ的存在に膨らんだであろう。

表舞台に舞い戻ったパプキンは再び笑いを取れるのか?

含みある終わりかたも良かった。

1980年代だが、パプキンよりもはるかに面白いあらゆるジャンルのコメディアンが日本にはいた。
東西問わず、落語、コント、漫才。
日本は地球一の笑いの先進国ではないか?と思う。
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