ヤコブ

キング・オブ・コメディのヤコブのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.5
リアリティを感じなかった。

ストーカー(狂気)+コメディアン(夢)+プライベート(本当の自分)という3つの重なった人格について。

ジョーカーはコメディアン(夢)⇄プライベート(本当の自分)の対比が鮮やかで、ピエロになるほど現実の悲しさが際立っていた。また事件の動機にもプライベートが深く関わってきた。

それに対してパンプキンはストーカー(狂気)とコメディアン(夢)が掛け合わさり暴走して事件を起こした。どちらかといえばプライベート(本当の自分)は置いてけぼりだった。

自分の狂気と夢に付き合わせるためだけに、関係のない司会者を恐怖に陥れるのは見ていて不快だった。ジョーカーのようにプライベートの動機が薄く、肩入れする気にならなかった。

自分はすごいとか、人に憧れられるとかそういった妄想は誰しも抱くもので、誘拐なしで前半の家で一人でトークショーするような平和な勘違いおじさん路線で、最後までいってほしかった。
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