このレビューはネタバレを含みます
マーティン・スコセッシ監督とロバート・デニーロのタッグによる名作
「ジョーカー」と基本的なプロットは同じで本作品を鑑賞した跡では評価が変化した
こちらがオリジナルであることを考えれば、「ジョーカー」も名作であることに変わりはないが「キングオブコメディ」のリブート作品とも言えなくない
ロバート・デニーロ演じる主人公ルパート・パプキンは自身の才能を疑わない自意識過剰な男。コメディアンになりたいという行動原理からついには一線を超えて、狂行に出る。
現実と空想が入り乱れる演出によりエンディングの解釈も定まらない。果たしてパプキンは大成したのか、はたまた妄執の彼方に取り残されたのか
どこまでもポジティブで悪意がなく、狂気を含んだ笑顔を見せるパプキンを演じるデニーロはやはり天才
コミュニケーション能力もあり、行動力のあるパプキンが陽なら、ホワキン演じるジョーカーは陰と対称的であり、「キングオブコメディ」のもうひとつの世界線の作品とも言えるかもしれない
そういった意味でも、オリジナルである本作品を作ったマーティン・スコセッシ監督とロバート・デニーロの力量は計り知れない。