ユナマリア

地獄のユナマリアのレビュー・感想・評価

地獄(1979年製作の映画)
4.0
原田美枝子目当てで鑑賞。

妻を持つ男性と通じた母、そして実の兄と通じてしまった娘と地獄を描いた作品。

人の業や欲を生々しく表現している。

生形家の次男の雲平と婚姻していたミホは、義理の兄である竜造と不倫関係になる。

怒りのあまり猟銃を持った雲平によって竜造は撃たれ、竜造の子を身篭っていたミホも村人に発見された時には息絶えていた。

しかし死ぬ直前に身篭っていた子供は産まれる。

そしてミホは地獄に落ちてしまう。

時は経ち、ミホの娘アキはレーサーをしていたが、謎の事故に遭う。

その後、電車に乗るが、同じく事故に遭い死にそうになる…

賛否両論な作品ではあると思うが、この時代の邦画ならではのおどろおどろしい雰囲気が大好き。

脚本自体もひとつのサスペンスとして面白いし、豪華な役者達による鬼気迫る芝居がまた良い。

終始出番がある原田美枝子のファンなら確実に楽しめるが、目を引くのは岸田今日子の恐ろしさ。

悪い事をしたら地獄に落ちると言う定番の教訓もしかりだが、産まれた環境自体が既に罪な人間は、どのように報いれば良いのかと言う永遠のテーマも、ちゃんと描かれていた。
ユナマリア

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