福福吉吉

裏切り者の福福吉吉のレビュー・感想・評価

裏切り者(2000年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
レオは刑務所を出所後、叔父のフランクの会社で面倒を見てもらうことになった。親友のウィリーも同社に勤めており、ウィリーと同じ契約を取る仕事につくのだが、それは競争相手の会社や市役所との裏工作が横行する世界だった。レオはその中で濡れ衣を着せられ、殺人犯にされてしまう。

◆感想◆
ストーリーが陰鬱で、鉄道工事の契約に関わる汚職や談合などイリーガルな世界での殺人事件を描いた作品となっており、観ていてかなり暗い気分になりました。

主人公のレオ(マーク・ウォールバーグ)は母思いで真っ当な仕事をやろうと意気込むのですが、親友のウィリー(ホアキン・フェニックス)の誘いにあっさり乗って、イリーガルな世界へ飛び込みます。どうにもレオの性格が煮え切らず、雰囲気に流される駄目男に感じて仕方がなかった。一つ一つの行動に他人の判断をあてにしていて、自分の意思を示さないレオにイライラしました。

レオはウィリーの手伝いをして警官を半殺しにして、その挙句、ウィリーの殺人の罪まで背負わされることになるのですが、自業自得だと思いました。レオが警察に追われることになって、会社側がレオとの関係を切りに行ったり、警察とのコネで何とかしようとしたりと汚い流れがあからさまになっていて、リアルで面白かったです。

一方、ウィリーはフランクの片腕として競争会社や役人相手に色々汚い手を尽くして、利益を上げる存在として描かれており、ウィリー自身も実力者であると自認して強気でした。やってることがほぼ汚いので感情移入する相手では無かったですが、レオよりマシかなという感じでした。

後半の展開は誰もが自分の利益のためにのみ動き出し、レオも開き直って自分以外は敵だと考え始めます。レオが前へ動き始めると同時に、ウィリーが精神的に崩壊していき、どんどん弱気になっていきます。これが対照的で面白かったです。

ラストは少し納得いかない感じがしましたが、汚れた世界の決着のつけ方としては仕方ないかなと思います。

クライム・サスペンスとして面白かったと思います。しかし、もう少し明るい展開も観たかった気がします。

鑑賞日:2023年11月13日
鑑賞方法:BS松竹東急
(録画日:2022年10月2日)
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