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レック3 ジェネシスの消費者のレビュー・感想・評価

レック3 ジェネシス(2012年製作の映画)
2.7
・ジャンル
ゾンビホラー/悪魔

・あらすじ
裕福な家庭に生まれた美女クララと誠実で友人の多いコルド
盛大に行われた2人の結婚式は祝福ムードに包まれていた
しかし式が終わり参列者達がパーティーに興じていた時、異変は起こる
コルドの伯父、ビクトルが突如階段の踊り場から身を投げ人々を襲い始めたのだ
彼に噛まれた者は同じ状態へと陥り、奇病は爆発的な勢いで拡散
辛うじて魔の手を逃れたコルドだったがクララの行方が分からなくなってしまう
一方クララも神父と共に身を潜めながらコルドを探す機会を伺っていた
果たして2人は無事に生きて再会を果たす事が出来るのか?

・感想
POVブームの火付け役の1つとなったゾンビホラーの金字塔「レック」のシリーズ3作目
今作では序盤以降はPOVではなくなり一般的な劇映画となっている

1〜2作目が実質前後編と言って差し支えない完全に繋がったストーリーだったのに対し3作目の本作は同じ時の別の場所が舞台となっている為、話には申し訳程度の繋がりしかない
それ自体はまぁ別に良いんだけどたかが3本目でこうも世界観が変わっちゃうのはさすがに酷過ぎないか…?
ネタ切れ起こすほど本数も出してないのに…

1〜2作目は閉鎖された空間に閉じ込められた人々が時に衝突しながらもゾンビの脅威に曝され共闘せざるを得ないという状況を生々しく描いた内容だった
なのに今作では端々に中途半端なコメディ要素を入れて来る上にそれが全然笑えない
そのせいで緊迫感や臨場感も味わえないしシリアスとコメディの間でずっとどっち付かずな状態なのが最悪!
感動要素も雑で捻りも無く入り込める部分が皆無という有様…
しかも尺のほとんどを新郎と新婦がすれ違いながら探し合うだけの時間に割いてるから早々に飽きが来た…
人間ドラマの面でも会って間もないカメラマンのアトゥンをコルドの従弟アドリアンが何でそこまで敬愛すんだよ、とか
感情に任せてコルドにカメラを破壊されたアトゥンが何で普通に暗視機能付きのカメラを提供するのよ、とか違和感だらけ
しかもそのカメラは通気口からの脱出シーンでしか使われず以降はPOVゼロという…

そんな感じで完全にダレた状態で観ていたけど勿体なかったのが後半
クララが吹っ切れて覚醒して都合よく地下トンネルにあったチェーンソーで武装するんだけどそれが活躍する場面が少な過ぎた…
ここまで来たらいっそ「ブレインデッド」や「死霊のはらわた」にオマージュを捧げた血みどろゾンビ殺戮にでもしてくれてたら普通に面白く出来たじゃん!
腕切断も終盤じゃなくてその流れにぶち込んでたらオマージュとして分かりやすくなっただろうし…

他にもまぁ細々とダメな部分が多い…
神父の祈祷が無敵なのに合流しないで夫妻を守るだけで終わったり活かせそうなキャラの人物がことごとくあっさり死んだり…
そもそもパケ写でクララが感染するのネタバレしてる時点でアレなんだけども

褒められる要素としては前述のチェーンソーのパートでのゾンビ殺しにおけるゴア描写がスラッシャー的で良かったくらい?
マジで「レック」シリーズでこれをやろうと思った理由が分からない
無難にメデイロスの過去を描けば良かったんじゃないかな…と

そんでラストである次作は2作目の続きらしい
まぁ今作が振るわなかったからだろうな…w
脚本家が1人抜けるだけでこうもダメになっちゃうんだなと衝撃を受けた…
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