じゅんP

ルワンダの涙のじゅんPのレビュー・感想・評価

ルワンダの涙(2005年製作の映画)
4.2
ルワンダ虐殺を、その渦中にいた教師と神父、2人の白人の目線で捉える。

教師の視点は映画を観ている自分や誰かの視点でもあって、歯がゆい。それは無力感ももちろんありますが、劇中でイギリス人記者が教師に語る、ある台詞に集約されています。身勝手な「心ならずも」の身勝手な距離を、映し鏡で突き付けられる。

神父の視点。「一般的に」ではなく、あくまで自分に必要かどうかという点で、宗教というものに懐疑的な人間なのですが、ごくごく稀に映画の中でそんな考えを凌駕するような瞬間に出会うことがあります。この映画は正にそれ。ジョン・ハートがもたらす説得力。

原題が物語る、遣り場のない感情。エンドロールが物語る、「伝える」力のたくましさ。
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