すぎ

ヘヴンのすぎのレビュー・感想・評価

ヘヴン(2002年製作の映画)
3.0
スピード感の強いアイラブユー。。。

DVDパッケージのあらすじに目を通した時
前半部分までは興味を惹かれたものの、後半を読んでガックリ。なぜなら内容の本筋が愛の逃避行だったから...。
「面白い始まり方なのにもったいない!愛じゃなくもっと重たい話にすればいいのに!すごくチープそう!」
と、おすじは逆に気になってしまう。

こんな経緯で鑑賞したけれどチープな映画ではなかったし、私にとって見てよかったと思える作品になったのはケイトブランシェットがとにかく素晴らしかったから。
『ロード・オブ・ザ・リング』でケイトブランシェット演じるガラドリエルが、指輪を持つフロドに対し
「喉から手が出るほど、それが欲しい...!!!」
と見せるあの表情が、まさかの『ヘブン』でも見れます。
ガラドリエルファン、ケイトブランシェットファンには絶対たまらない。(この顔が気になる人はぜひ鑑賞して)

罪のない人を殺してしまったフィリッパ(ケイトブランシェット)。
殺したかった相手は生きていて、代わりに関係のない人々が死亡した事実を知りショックで気絶してしまう。(in 取調室)
気絶する演技がうまいってあんまり聞いた事ないですよね。何をオススメしてるんだろうと自分でも思うけど、ほんとに気絶が上手なんですよ。パタッとね、倒れるんです。

そして、フィリッパが犯行に及ぶ原因となった死んだ夫や生徒達は画面に出てくる事は一度もなく、会話の中でしか登場しない。
けれど彼らの死の悲惨さが痛いほど伝わるのは、フィリッパの静かな態度から漏れる強い怒りに、言葉じゃ説明出来ないくらい説得力があるから。

幸せだった家庭がぶっ壊れていくような回想シーンを入れたらもっと分かりやすく感情移入できるのかもしれないけど、そんなの全然いらない。むしろいらん。
「ケイト、実際に不甲斐ない理由で誰か大事な人が死んだりしたの!?」
と思うほどリアルな演技で、目をかっぴろげて画面に引き込まれてました。

汚れのない本当にピュアッピュアなラブストーリーなので、「あ、わたしいま博愛の精神に満ちてるわ。エンジェルみたいだわ」という状態の時に選ぶと、気持ちよく見れるんじゃないかなぁ。
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