にしくん

スウィート ヒアアフターのにしくんのネタバレレビュー・内容・結末

スウィート ヒアアフター(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

その街にはその街のルールがあって、その中で皆が静かに暮らす。表面上は平和であるこの街に、ハーメルンの笛吹き男の如く表れ、平穏を乱す弁護士と、自分を使ってお金を得ようとする父に復讐するために少女は嘘をつく。
主人公は弁護士の男ではあるが、この物語の鍵を握るのはサラ・ポーリー演じる美しい少女ニコル。彼女が寝物語でハーメルンの笛吹き男を聞かせるのは、その笛吹き男の怒りに彼女自身も共感したからだろう。平穏を取り戻したのに村人に裏切られたハーメルンと、自身の平穏を破壊した父と弁護士、バスの運転手にその怒りをぶつける。
唯一自身の子供の死を静かに受け入れるビルの為に嘘をついたというのもまた事実だろう。
サラ・ポーリーが美しい映画。映画を観たいと思ってから10年、ようやく観ることができました。
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