スウィート ヒアアフターの作品情報・感想・評価・動画配信

「スウィート ヒアアフター」に投稿された感想・評価

TKSHATS

TKSHATSの感想・評価

3.4
少し難解である。
どうやら映画では原作のように人間関係が分かりやすく描写されておらず誤解しやすい作りになっているからのようです。それがあえて監督の意図かもしれませんが。
Aix

Aixの感想・評価

3.5
カンヌ国際映画祭グランプリ受賞、スクールバスの事故に巻き込まれた人々の話。

暗く悲しいムードが漂う作品です。事故で子を失った親、事故で生き残った少女、薬中の娘を持つ弁護士、スクールバスの運転手など、様々な人物に焦点が当てつつ、時系列を入れ替えて物語を描いていました。俳優はみんな演技が上手いし、色んな問題提起をしてくれる作品ですが、あまり共感出来なかったです。キャラクターと扱ってる題材が多過ぎた気がします。

多分、人によってかなり評価が変わってくると思う。見た後にあれこれ議論したくなるように出来ています。
YanRay

YanRayの感想・評価

5.0
起こった事象は皮膚で、その下にある真実は臓器のように複雑

だから人は沈黙する
だから人は嘘をつく
だからわたしはそれが怖い
そんな"形容しがたい感情"が

秘密と嘘
優しさと怒り
対価と復讐

しきたりを知らない者が握るナイフがその皮膚を裂くには、荷が重い
ロミオ

ロミオの感想・評価

3.8
Blu-rayにて、初アトム・エゴヤンだったが大変素晴らしかった。
さて、本作はカナダの小さな田舎町でスクールバスが転落事故を起こし、乗車していた児童22名の内多数が死亡するという痛ましい事件から幕を開ける。
弁護士である主人公は本件を集団訴訟へと持ち込むべく、事件の余波を生きる住人達へ接触してゆく。
そして事故や現場の詳細は視聴者に開示されないまま、地元民の証言を中心に真相や、その土地に住む人々の背景が紐解かれていくが、、、
90年代的サスペンスで非常に楽しめた!佳作でしょう!
閉塞感と違和感の相乗効果が見事だし、居心地の悪さを覚える話で大好き。
エゴヤン作品はエキゾチカやアララトの聖母など個人的に惹かれる作品が未BD化またはVHS止まりであったりアクセスに難のあるイメージでなかなか鑑賞に至らなかったのだが、是非とも他作品も観たいね。
また、カナダの広大な雪原の画面映えが半端無い上に画面構成も素晴らしく、銀世界ロケーションが大好物な私としては大変嬉しい。
tomひで

tomひでの感想・評価

3.0
1997年カンヌ国際映画祭、審査員特別グランプリ受賞作品。山間の小さな町で起こったスクールバス事故を巡っての話。

観ている間はとても集中させられる映画だが、全く自分には刺さらなかった。この町の「静かに穏やかに暮らす」という、その町に暮らさなければ分からない因習的な町の空気感が自分には理解する事が出来なかった。並列展開される弁護士の娘の話(幼少期から薬物まで)もあまり効果的だとも思えなかった。

「怒りと絶望で愛は変質する」
VHSの頃に見てよく分からなかった映画。この歳になれば分かるかなと思って再挑戦したが果たして。

スクールバスの転落事故で多数の犠牲者を出したカナダの田舎町に弁護士スティーブンスがやってくる。遺族に対して集団訴訟を持ちかけるスティーブンスは劇中で引用されるハーメルンの笛吹男を想起させられる。この弁護士が遺族を扇動するのは金のためもあるが麻薬中毒の娘がいて娘を失ったと感じている自分を遺族と重ね合わせているのだろう。笛吹男は約束を違えた町の住人に対してだったが彼らの怒りの矛先は何だろうか。不条理な運命という曖昧なものか。スティーブンスはもちろん、遺族にしたって具体的に拳を振り上げる相手がおらずバス会社なのか学校なのかとそれっぽい相手を探す姿は先行きが危うい。

結果としてこの訴訟は1人生き残った少女ニコールの嘘によって終わりを告げる。この小さな町は誰かしらが秘密や問題を抱えていて人間関係が密接に絡み合っていた。運転手ドロレスの夫が「よそ者の陪審員などに裁かせない。この町には独自のしきたりがある」と言ってたように外部からの干渉など金がもらえても必要としなかった。ニコールはそんな町の平穏を守ったのだ。そういう感動的とみなす意見を多く見かけるが、自分はこの町の閉鎖性に恐ろしいものを感じた。殺人でも町ぐるみで隠蔽されてしまいそうで。横溝正史とかツインピークスのような田舎ミステリーと感じられる。町の平和を保つためにドロレスは生贄として追い出されてるのがまた怖い。追い出された本人は満更でもなさそうな顔してるのが更に。

心に残るのは真実も人の心も覆い隠してしまう雪景色。気温と同時に薄ら寒さも感じられた映画だった。
OKWR

OKWRの感想・評価

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小さな町の大きなバスの事故。
町に住む人たちはそれぞれの顔と人となりがわかる関係性で穏やかに暮らしている。
外からやって来た弁護士が被害者を回って訴訟を起こすが……
物語のスタートから事故の詳細は語らないで、何かがあったことだけで興味を引かせる脚本が渋い。
実際の事故はそこまで見せないため、事故当時、何があったのか、残された人たちの証言からしかわからないのだけれど、終盤、ある人物の証言によって、事件への見方は急展開を迎える。
弁護士の思惑も、事実も、証言によっては180℃変わってしまって、真実を追い求めること、正義と善意の暴力に迫ってる。
引用も効果的な現代の寓話。
moimoi

moimoiの感想・評価

5.0
イアン・ホルムを偲んで。
法と正義をふりかざし、小さなコミュニティの人々それぞれが抱える〝事情〟に踏み込むのは、正しいか、正しくないか。
若い頃に観たときと随分印象が違った。
masa

masaの感想・評価

3.6
小説原作
田舎町でのスクールバス転落事故
訴訟を持ちかける外部からきた弁護士とついていく住人たちと証言する少女
あのミステリー感をプンプンさせつつ、ミステリーのネタバレは放置し、エンターテイメントにしないアトム・エゴヤンの初期作(褒めてます)。
ずっと見たかった。

「Sweet Hereafter」というラブストーリーみたいなタイトルだけど、
ラストはめちゃくちゃホラーです。
田舎町に潜むホラー。
田舎町のスクールバスの事故でお金を巻き上げられると考えた弁護士が嵌る田舎の闇。
いや、別に誰かが襲われるとか、お化けとか出てくるわけではありません。
基本、ずっとトーンは低く静かです。
でも、その静かだからこそ、荒波を立てずに暮らすことが正義な田舎町。
荒波を立て始めてエゴに向かうもんなら、人の人生を狂わせるなんて厭わない。
大人の視点でその田舎の正義をみると、悪く見えるが、
最後に子供の視点でそれを捉えると、意外と本当の正義にも見えてくる。
憎しみに寄り添うのではなく、憎しみがあっても、平穏に暮らす=Sweet Hereafterことに寄り添いたいというのは人の優しい部分が見られる。
でも、最後に子供がするその行為は必ずしも正しいものではないし、
ラストシーンはとてつもなくホラーに描かれる。

どちらが良いのかわからなくなる…そんな映画だ。
ずっと頭の中で渦が巻いている。
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