スウィート ヒアアフターの作品情報・感想・評価

「スウィート ヒアアフター」に投稿された感想・評価

結局のところ、少女の嘘の証言が小さい田舎町をスキャンダルから救ったのかな?事件の真相も弁護士の私事も何も解決せず、すっきりしないまま見終わった。
chamama

chamamaの感想・評価

3.5
カンヌでグランプリに輝いた作品。期待して観たけどちょっと私にはよく分からなかった。
Toku

Tokuの感想・評価

3.0
気になった音楽たち
Title Music/Mychael Danna
One More Colour [Sam Dent Band Version]/Mychael Danna
Courage (For Hugh MacLennan)/The Tragically Hip
Courage [Sam Dent Band Version]/Mychael Danna
Kota

Kotaの感想・評価

3.3
真相は何なのか
最後はどうなるのか

いろいろ考えながら観終えましたがスッキリしませんでした。
coro

coroの感想・評価

3.0
後をついて行けるのは穢れなき者…
救いの見えない閉鎖的なこの村に
一筋の光を
yasuka

yasukaの感想・評価

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ハーメルンの笛吹きと田舎町で起きた事故を重ねて物語は進む。
生き残った少女の証言で街から追放された者たち。
その証言が嘘か真かは関係ない。
彼らにとって真実より大事なものは、今までと変わらない波風の立たない暮らし。
その裏で起きていることには目をつぶり、みな、何事もなかったかのように暮らしを続ける。
なんとも閉鎖的な田舎特有の考え。
後味の悪いすっきりしない話だった。
スクールバス事故を軸に、被害者側の弁護士とその私生活の問題、唯一生き残った少女を横軸に編み込んで描く冷々とするミステリー。2回目の鑑賞。

何というか最後まではっきりしない話なんです。
・バス事故の訴訟準備
・少女の証言の意図
・弁護士の娘の問題
この肝心の3つがぼんやりしたまま終幕になる。元々田舎の街には不倫や近親相姦などの秘密があり、裁判によって街に波紋を広げることを望まない人達もいて、弁護士の思惑が頓挫したほうが波風立たないのは確かで。

生存者の少女(事故死した子供達は楽園にいると感じている)寂寥感、自分の夢の断絶、父との関係の変化、様々な事情から彼女は恐らく救われない。
彼女と対で語られる弁護士の娘も恐らく救われなかったんだろうなあと思います。
逝ってしまった子供達の魂が幸せであるというハーメルンの笛吹の結末に寄せた想像がハッピーエンドなのかも知れないと思わせる、寒い余韻を残す作品でした。
【ナメてた田舎が殺人マシーンでした】
この手のジャンルって実は意外と豊富だと思う。
代表的な作品ではジョンブアマンの脱出や悪魔のいけにえなどがそうだろう。
自然に囲まれ都会的な文明やテクノロジーから隔離された田舎にどっしりと根を張る住民同士のコミュニティ。
その中に恐怖を作り上げる作り手が多いのは必然とも言える。
もちろん実際にそういう場所に住んでいる人からすれば不快かもしれないが。

小学生を大勢乗せたスクールバスの事故というこれ以上ないほど酷い事件の被害者に雇われカナダの田舎町にやって来た弁護士。
初めに映画を見ているうちは、彼が遺族達に同情を誘うふりをしながら近づく描写を見せられるためちょっと類型的なぐらいの悪人に見える。
が、しかしそんな彼のまるで地獄を見てきたかのように憔悴しきっている事件後の姿を時折挟み込んでいくのが非常に不穏で、でもどうしても興味を惹かれてしまう。
本作は時系列の反復や分散によってこの地味な題材をしっかりとしたサスペンスに仕上げている。
登場人物すべての運命を狂わせるあの事故に至るまでの過程を何度も何度も視点を変えながらじっくりと炙り出していく。
そしてついに事故が起こるシーンでは、敢えて最初に目撃者の反応を見せるというまさかの古典ホラー的演出!
シャイニングを思わせるヘリコプター撮影による不安を煽る俯瞰ショットもナイスでした。

✳︎ここからネタバレ
作中に登場する「ハーメルンの笛吹き男」の物語。
ネズミを退治したのに報酬を払わない村人へ仕返しをした笛吹き男と、そこから唯一逃げおおせた足の悪い子供。
この対立構造はまさに本作の弁護士とニコールの関係のわけだ。
では弁護士はなぜこの街に来たのか?
それはその物語そっくりに子供が大勢死んだ事故の裁判を担当するためだ。
ハーメルンの笛吹き男は
村人のためにネズミを退治する→
村人に裏切られる→仕返しに子供を奪うという展開を辿るが
子供を奪われた村人のために裁判を担当する→村人に裏切られるという展開を辿る。
つまりハーメルンの笛吹きのような事件を担当した男も結局は笛吹き男=異端として排斥していく村の物語なのだ。
もちろん最初の笛吹き男たるドロレスも最終的には村にいられなくなるわけだが。
この村人はそもそもあの事件なんか起こる前から壊れている。
不倫、近親相姦、暴力、貧困といった問題に満ちていた。
あの弁護士はパンドラの箱を開けてしまったのだ。
だから最後にはニコールに裏切られてしまう。
ニコールは、弁護士の誘いに乗ることなくこの子供という最後のイノセントを失い腐りきった村に表面的な平穏を取り戻す。
これは邪悪なことなのだろうか。
彼女が弁護士だけでなく父親にも復讐を果たす。
でもラストの彼女は自分の帰る場所を確保している。
しかし、弁護士にはそんなものはない。
彼が昔から必死に守っていた「家族」なんてものがまだ存在していた時間はとうの昔に過ぎ去ってしまった。
終盤、空港で村を追われたドロレスと視線を交わす弁護士。
果たして彼はあの後娘と和解できるのだろうか。
そんな「救い」めいたものは、無垢な少年少女が眠りについた後急に表情を変えたラストのニコールの姿によって真っ白な雪の中に消し飛ばされていく。

[追記]
この映画を僕はアンハッピーエンド捉え凄く怖い映画だと思ったが、ハッピーエンドと捉えるという解釈もある。
そもそも映画の解釈に正解なんてないという野暮な言い訳をテンプレ的にするとしても、やっぱりこの映画の解釈はパックリと別れる。
ドロレスもニコールも弁護士も、社会的には許されない「嘘」によって楽園への一歩を踏み出したのかもしれない。
多分この映画は見るときによって印象はかなり変わると思う。
僕は初見時はめちゃくちゃ怖かった。
でも次見たら癒されるかもしれない。
そんなふつに次々と姿形を変えるこの映画は、世界そのものを映す鏡なのかもしれない。
◇◇備忘録・あらすじ引用◇◇
スクール・バスの転落事故が発生、町の多くの親たちが子供を失う。彼らの代理として集団訴訟の手続きを行うことになった弁護士のスティーブンが町を訪れ、被害者に有利な条件で訴訟をまとめてゆくのだが、事故の唯一の生存者ニコルの証言によって事件は意外な展開を見せる。
1997年カンヌ映画祭グランプリ受賞作。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.0
2010/10/21鑑賞(鑑賞メーターより転載)
1997年カンヌのグランプリ作品。海外のレビューで物凄い高得点だったので鑑賞。ある田舎町のほぼ全ての子供が亡くなったバス事故を軸に、残された親や生き残ってしまった少女、それを仕事として解決せんとする弁護士の複雑な心理が交錯する様を多方面から炙り出していく。寒々しく重々しく、明快な答えも提示されずに進む非常に地味な作品だが、人々の持つ心の傷は無理に治療せず記憶の風化に委ねるべき、という優しい労わりの視点で描かれており、じんわりと心に染みる。タイトル(hereafter=あの世)の意味も観終わって納得。