Yoshmon

アンダーグラウンドのYoshmonのレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.2
”ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!”
恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞。

完全版を前半後半に分けて、上映しているようだったけれど、後半を観る時間が無かったため通常版を一本(約三時間)で鑑賞。

何だろう。きっとこの作品に限らず、この監督の作品には独特のリズム(明るさ)に包まれていて不思議な感じになる。

ストーリーの背景にあるのはナチドイツの侵攻と対立する国連軍の反撃の舞台となる旧ユーゴスラビアに生きた人たちに焦点をあてた結構ヘビーな話であるにもかかわらず、終始リズミカルな音楽に溢れて、時折滑稽なシーンも目にする作品。

兄弟分であったクロとマルコのすれ違い。作家・革命家として自身の描くドラマチックで嘘みたいなシナリオ通りにクロを利用し女(ナタリア)も横取りするマルコ。
マルコに騙され続けてひたすら地下でマルコが売り捌く武器を作り続けるクロと、罪悪感に苛れながらマルコに協力するナタリア。

端から意図してか、せざるかは問題とせず結局のところ外部からの暴力(戦争)に運命を翻弄された人たちの闘いが描かれている。

この作品を通して、旧ユーゴスラビアの人たちが人生を懸けて創りだした「国」の存在を私たちは知ることになる。
最後の台詞と演出が強烈にそれを印象づける。
この映画作りに携わった人土地の手腕に尊敬。

少し時代が違うと映画作りに多くの動物たちが虐待されているのよく目にする。そこが少々気になる。
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