えそじま

河と死のえそじまのレビュー・感想・評価

河と死(1954年製作の映画)
3.5
「名付け親は人妻を寝取るのがうまい(笑)」とかいう謎の煽りから突然始まる殺し合い、以降孫の代まで続く復讐の螺旋。決闘の勝者は河を泳ぎ渡り対岸に隠遁し、敗者は葬送の船によって、これもまた先祖の眠る対岸の墓地に送られる。極めてシュルレアリスト的なウェスタン。

原作があるものの、実際にブニュエルの身の回りでも起こったり聞いたりしたノンフィクションが大部分を占めているらしい。メキシコで知の巨匠とまで呼ばれたある男達の会話「この国では君と僕を別として、誰もが拳銃を持ち歩いてるんじゃないか?」「いや、君だけが別だよ」(アルフォンソ・レイエス、バスコンセロス)という逸話もどうやら実際にあった模様。
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