ど鬱、全て貧困が悪い。仕事をしない父の代わりに100均的な店で働き一家の生計を支える娘。靴はボロボロ、欲しい靴は2.5ドル、給与は5ドル、母に渡し3ドルくれと言っても、母は生活できんかったらしゃーないと全く返してくれない。ボロボロの靴になんとかボール紙で即席の中敷を当てがい履き続ける娘、その努力を突然の大雨が全て溶かして流し、足元から身体を冷やした娘は体調を崩す。どうしてこうなった、こんな筈じゃなかった、隣の芝が青すぎる、全て貧困が悪い、遂に娘は貧乏につけ込む毒牙の餌食に…。自分を映す鏡に一筋のヒビが入り人生は崩壊へと進む、全て貧困が悪い、全て貧困が…。『岬の兄妹』に足りなかったのはやはりこの足元への意識。