タクマ

あげまんのタクマのレビュー・感想・評価

あげまん(1990年製作の映画)
3.6
男にツキをもたらし出世をもたらす良妻。人々はその女性を「あげまんの女」と呼び称えた。これはそんなあげまんと彼女の周りの男達の物語。
見る前は色んな苦労を味わって来た男の人を宮本信子さん演じる主人公のなよこが助ける話って勝手に思い込んでたけど蓋を開けてみたらアホでどうしようもない男達があげまんの力にすがりたいが為になよこを振り回す話やった「笑」
伊丹十三監督はこの映画の中で女性はこうであってほしいと言う理想的視点から自分の中の男女の関係性と言うのを描いている。でもそれってこの作品に限らず伊丹十三監督が自身の作品を通して一貫して描いてきたテーマでもある。今の時代ではなかなか危うい題材ですが結局ここで一番思う事は宮本信子さんと言う女優は伊丹十三監督にとって最高に理想的な愛すべき女性であったんだろうなあと言う事。本作はそんな宮本信子さんの個人的ベストバウト。だらしがない男達の勝手に振り回されながらもぶれない信念と愛情で男達と向き合う姿と女性としての幸せを求める姿は魅力的だ。愛する人がいると言う事は尊い事。相手を思い愛し別れを繰り返しそしてまた誰かを愛す。男女の恋模様とはそんな切なさと甘酸っぱさで満ち溢れている。伊丹十三監督作品では常連の津川雅彦さんとのコンビも相変わらず面白く津川さんがご存命ならまた二人のコンビを別作品でも見てみたいと思ったな。
本作で伊丹十三監督作品マラソンは終了。あーあ、終わってしもたかあ。
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