任侠映画の決定版とも言える人気シリーズの第一作目。
高倉健と池部良がとにかく男前で色気もある。
高倉健演じる寺島は、先代組長の遺言に従い暴力で対抗しないよう我慢していたが、幾度となく続く敵の卑劣な攻撃に遂に堪忍袋の緒が切れ、敵陣に殴り込みに向かう。
その際に流れた「唐獅子牡丹」は惚れ惚れする程の格好良さ。
仁義を切る場面をはじめ、昔ながらの任侠と、仁義を無視し、伝統を廃す新興のヤクザとの対立は単純ながら敵味方がはっきりしていてとても観やすい。
全編通して、戦後の混乱において貧困にあえぐ人々は、ヤクザ同士の対立や趨勢に振り回されてばかりであり、力無き故にそれに従わねばならないという現実を突きつけていた。