とぽとぽ

イヤー・オブ・ザ・ドラゴンのとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.0
むせ返るほどに暑苦しく、騒がしく、容赦なく、人種差別的で当時らしい。雑然としている。歴史が浅いにも関わらず短期間で世界一の大国になったアメリカに巣食う闇に迫り晒すのは、流石政治ヲタク = オリバー・ストーン脚本...とっ散らかってはいるけど。80年代はとりわけベトナム戦争へのリアクションとしてハリウッド引いてはアメリカ自省のとき。流石『ディア・ハンター』の監督マイケル・チミノ作品。そして役柄クソな所もあるけどやっぱり切れ味あって格好良いミッキー・ローク。"ベトナムと同じ"、まるでベトナム戦争の代替のように熱く荒れ狂って孤軍奮闘する。彼の口癖は、"俺はポーランド人"。自分も本来差別される側である出自を抱えベトナム帰りである熱血刑事と冷酷な"秘密結社"チャイニーズマフィアの熾烈な(?)戦いは、両者にとって己のアイデンティティーと向き合う契機になるのか。共にこの国では歓迎されない部外者に過ぎない。
敵対するジョーイ・タイの立身出世隆盛モノで、マスコミの責務・可能性に、潜入捜査モノでもあるアメリカの罪。愛すべきハーバート!頑固頭のわからず屋の強硬手段のせいで幾多の命が軽んじられ奪われていく。厳しい選択を迫られ、それでも貫く己の正義。相次ぐドンパチにポンポンと人が死んでいくバイオレンス。中国系は1943年まで市民権も得られなかったという事実。KYに気に入らない連中の面子潰すのって気持ちいいよね、それをこの主人公はたくさんやってくれる。けど勝手に人の部屋を捜査本部状態にしているのはいくらなんでもヤバい。結末までコテコテで、けど呆気なくダサい。2時間以上あれこれやってきたのに、あの勝ち負け白黒の着き方は何だって笑っちゃったよ。葬式で始まり葬式で終わる?終盤忙しなさすぎないか、最後コロコロ詰め込みすぎ。

「愚か者ですね。早死にしますよ」ワイロを受け取ったら口を引き裂く「殺された観光客は?殺され損ですか?」君は家庭がうまくいかなくなると事件に過剰反応する「ベトナムと同じ」「みんな仕事に戻れ」スタン!「もうご臨終だベイビー」「この情報のために一人死んだ!」「ジョーイ!」なんだ!「チャイナタウンは相変わらずです」「奴らを逮捕する!」「俺が間違っていた、心を入れ替える」
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