あらなみ

散り行く花のあらなみのネタバレレビュー・内容・結末

散り行く花(1919年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

多分、プロパガンダとかの一種で作られた作品なのかなーとか。

お坊さんの中国人青年がイギリスにわたり布教活動をしようとするものの、挫折して、スラム街で出会った被虐待児の美少女に恋をして庇護する話。
おおー、サイレント映画だー。

「野蛮な西洋人に仏教の素晴らしさを伝えて改宗させる」ってのがいかにも西洋的な発想で笑っちゃった。
一神教の国ってそれしがちなんだよね。
しかもイギリスに渡った青年が結局アヘン中毒なるってさぁ……。
何よりも、中国人役の青年とか『悪の目』を西洋人がやってる時点でもうツッコミどころが満載なのよ。
しかも、イギリス人である少女ルーシーやその親バロウズは作中で名前が出てくるのに、中国人青年はずーーーーーーーーーーーーーーっと「The yellew men」なのなんなん。
同じ黄色人種としてめっちゃ気分悪いんですけれど。
邦題の『散り行く花』はうまく訳したなぁって思った。

義父に虐待をされているルーシーがやられっぱなしじゃなくて、抵抗するし、なんなら「あんたなんか死刑だ!」って言い続けてんの、メンタル強いなぁってそこはちょっとよかった。
ただ、こんだけ反発心が強かったら逆にもっと早いうちに逃げ出してない? って思う反面、近所の人には「結婚に逃げるのはダメ」「娼婦にはなるな」って言われ続けてきただろうから袋小路だったんだろうなとも。
鞭打ちされるのは多分初めてじゃないだろうに、それでも今回このタイミングで逃げ出したのはなんで? と思わんでもないけれど。

画面がひたすら美しかったのと、劇判が素晴らしかったけれど、あー、ほんと、「黄色人種」って言い続けたのが気に食わねーわー。

あと、バロウズ役の役者さん、耳潰れてたからマジでボクシングやってる人なんだろうなって思った。
たぶん、バロウズ達の中々に本格的な(?)ボクシングシーンは当時見どころだったんだろうな。
きっと劇場で観客たちが歓声を上げながら鑑賞していたんだろうなって思う。
あらなみ

あらなみ