日央

紳士協定の日央のレビュー・感想・評価

紳士協定(1947年製作の映画)
4.1
ユダヤ民族の歴史は離散と迫害の歴史でもあり、ユダヤ民族に対するいわれなき差別は、現在も世界に散見される。

4世紀末にキリスト教がローマ帝国の国教とされて以降、ユダヤ人は帝国から迫害を受けるようになり、11世紀末から13世紀にかけて行われた十字軍遠征は、西欧のキリスト教徒が聖地の回復を目指して異教徒を討伐した軍事行動で、イスラム教徒だけでなくユダヤ教徒も異教徒として迫害を受ける。

ユダヤ人が差別を受ける歴史はあまりにも長く、ヒトラーによるホロコーストが頂点を極めた。


冒頭、ユダヤ人が差別を受けている理由を子供から聞かれて困るグレゴリー・ペック演じる主人公フィリップは、返答に言葉を濁しながらも、自分なりに私見で答える。

だが、実のところその答えも正しいのか、本心なのか疑問を抱いていると、ライターだった彼の元に反ユダヤ主義に関する記事を書かないかと依頼がくる。

この映画を作るきっかけとなったのが、プロデューサーのダリル・ザナックがゴルフクラブの会員になろうとしたら、ユダヤ人だからと断られた事がきっかけだそうだ。

少し前に見た短編映画で黒人差別をテーマにしたSKINという衝撃的な映画があった。

白人至上主義の男が差別意識から起こした暴行事件。その報復をまさかの方法で受ける。それはまさに黒人が日常受けている差別問題をその身で感じる映画だった。

紳士協定はそんな過激な描き方こそしてないし落ち着いた映画だが、ライターのフィリップはユダヤ人になりすまし彼らに起こる差別問題を肌で感じる映画だ。

説教くさいとも思うが立場が逆転でもしない限り気付かない、体験で得るものがあることを表してます。

子供がユダヤ人が差別を受ける理由がわからないでいる。まさにそれを大人も疑問に思う事こそ大事じゃないですかね。
ツノが生えてるわけでも、地球を征服してるわけでもないんです。

ユダヤ人を排斥してきたヒトラーやヒムラーや、ベムラーやアムラー?が問題で、多くのユダヤ人が大きな功績を残し、貢献し、あらゆるジャンルで活躍しています。

綺麗事になるかもですが、個人としては他国の人や文化が違う異国の人、肌の色とか気にせず交流したい願望があります。
言葉の壁は下仁田蒟蒻か翻訳蒟蒻で解決します。

いつまで続くんでしょうね。
○○人だとか、○○教とか。

永遠に学ばない人間。



◼️物語、構成 4/5
◼️演者、演技 3/5
◼️演出    3/5
◼️衣装    3/5
◼️音楽    3/5
◼️美術    3/5
◼️満足度   4/5
◼️万人受け  3/5
◼️病みつき度 3/5
◼️涙     1/5
◼️恐怖    2/5
◼️安らぎ   1/5
◼️笑い    1/5
◼️アクション 1/5
◼️謎解き   1/5
◼️エッチ度  1/5
◼️グロ描写  1/5
◼️胸糞 1/5
◼️歴史的背景 4/5
◼️元気貰える 1/5
◼️睡魔 1/5
日央

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