脚本にはさほど感銘を受けなかったけれど女優二人が十分以上魅せてくれた
グニャグニャしただらしなさの権化のような被告人:桃井かおり。
シャープでズバリ核心を突いてくる怜悧な弁護人:岩下志麻。
この映画は両者の両極端な組み合わせと、その異質さを見事に演じ切った両者に尽きると思う。
もちろん他の俳優陣のそつない脇固めがあってこそ総体的な〝充実”と〝調和”がもたらされたのは間違いない。
こちらとしてはまんまと脚本のミスリードに翻弄されたわけだが、クライマックスのミステリー謎解きにはある程度「しょーがねぇか・・・」という諦め的な納得をさせられた感じ。その時には「手紙燃やし」の件をすっかり忘れていたわけだからね。苦笑
※いつどのように当人が車に〝細工”をしたのか?という単純な疑問は残る。
現代風にリメイクするならあの手この手でギミックを活用することになるのだろうが、本映画の演出や映像は実にオーソドックス。それでも視聴中から充実感が満たされていったのは俳優陣の演技が密に〝凝縮”されたものだったからなのだと思う。
002202