花とみつばち

疑惑の花とみつばちのレビュー・感想・評価

疑惑(1982年製作の映画)
4.0
松本清張原作、昭和の香り漂う野村芳太郎監督作品。撮影、川又昂と音楽、芥川也寸志といつものメンバーが嬉しい。
法廷劇の様で同監督「 事件 」を少し彷彿とさせる。

物語は、恐喝、詐欺、暴行、傷害と前科がある球磨子( 桃井かおり )が7社に三億一千万の保険金をかけ、夫婦の乗る車が埠頭から海に転落する。そしてフロント硝子から逃げ出した球磨子だけが助かり保険金殺人の容疑をかけられる。
桃井かおりの悪女っぷりが素晴らしい。芹明香を意識していると言われる演技がこの作品で見事磨かれ良かった。
それに、ダメ男を演じた仲谷昇や球磨子の悪い元彼役に鹿賀丈史、新聞社の柄本明、山田五十鈴の「 バンスもまだなのに 」がなかなかの台詞でと昭和の名優がずらーり。

これは、球磨子の凶悪犯罪なんだろうか?

ここで弁護士、佐原律子( 岩下志麻 )が登場。私が思うに球磨子と律子は、全く違うがどこか共通するところがある気がする。知らず知らずに人を追い詰めるところ…きっとそこが事件を解決に導いたのでは?と思いました。

昭和の名優が出演、事件はすっきりと解決するし、松本清張だし、とたくさん私の好きな要素が凝縮された作品。
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