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イゴールの約束のakubiのレビュー・感想・評価

イゴールの約束(1996年製作の映画)
3.8
罪悪感と後悔が彼の吐き出すたばこの煙と混じりあい、少年は苦しそうに目を細める。たばこをすうことが、まるでなにかの罰であるみたいに。

正しい ということがなんであるのかを知らずに生きてきた少年はやがて、自らの瞳で世界を見るようになる。彼の柔らかい心がすべて受けとめるには、この世界は惨すぎた。
この物語に終わりがないみたいに、これからすすむこの道に、どこかに闇を照らすひかりがあるという希望もまだ続いてゆくようで、わたしはあの雑踏のなか、拳をにぎりしめただ、霞んでゆくふたりの背中を追いかけた。
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