スポック

女は二度生まれるのスポックのレビュー・感想・評価

女は二度生まれる(1961年製作の映画)
5.0
若尾文子が芸も志もなく若さと身体を売ることだけしか出来ない男のおもちゃのような水商売の女から、真っ直ぐな気性の旦那から不倫の妾の関係でありながらも愛情と教育を受けて成長していく。
不倫相手である旦那の正妻が自己中心的なヒステリックでメンヘラな女なのとは対照的に、妾の立場でありながら主人公は持ち前の素直な性格と愛嬌で、旦那と人間関係と愛を深めて成長し幸せな時間を過ごす。
最後に登場する旦那の実の娘が礼儀正しく人に優しく接する態度をみても、その娘を育てたであろう旦那の真っ直ぐな人間性が表現されている。
育ちの良さや愛情のない表面的な形だけの人間関係よりも、心の繋がりのある真の関係の方が幸せである事を教えてくれる。

しかし所詮は男のおもちゃとしてしか価値のない自分の無教養と無分別に気付き過去を清算するが、何も取り得が無い自分になす術なくただ茫然として立ち止まってしまう。