フェリーニ監督の半自伝的映画。
イタリア北部で育ったフェリーニが、20歳で訪れたローマ。そこは学校で教わったイメージとは全く違って、活気が溢れていてそれはそれは魅力的だった。
この作品に筋書きはありません。
過去を振り返り、こんな感じだったと、とりとめもなく思い出して再現しているのです。
キャスト、エキストラも含め大勢の人間を集め、衣装だけでも大変そう。さもその時の画をたぶん大袈裟に描いている。
地下道、劇場、娼館、城を舞台にしてエピソードを繋ぎ合わせている。
芝居を観ては文句を付ける観客。
露天のレストランでは家族連れでも誰とでも相席あり、何でもありの賑やかな食事。
娼館では巨乳フェチのフェリーニらしい女性たちが現れ、それを品定めする男たち。
教会では聖職者のファッションショーが繰り広げられる、素敵で愉快だった。
何がどうってこともないのに、ず〜っとニヤニヤして観ていられた。
フェリーニの愛するローマ。
結局、人間大好きなフェリーニの愛がいっぱい詰まっている作品。