フェリーニのローマの作品情報・感想・評価

「フェリーニのローマ」に投稿された感想・評価

rumimen

rumimenの感想・評価

3.5
The chapel fashion show is so cool!
カメラで撮っている事を忘れるくらい、フェリーニの自由自在なイマジネーションの映像表現

正直格が違った。

どのシーンも素晴らしいけど、やはりあの教会ファッションショー。

フェリーニの映画は感想が思いつかない
久しぶりに8 1/2、ローマ、そして初見のアマルコルド。
連続で見て、フェリーニの記憶や思想の原風景をちょっとだけ覗き見れた気がした

ああして外で喧騒にまみれて大勢で大声出しながら飯を食いたいな
kaomatsu

kaomatsuの感想・評価

4.3
『サテリコン』のレビューでも同様のことを書いたが、1970年代のフェリーニ映画の特徴は、思想性や人物相関、ストーリーによる因果関係など、一般的な映画ならば絶対に不可欠な要素をバッサリ切り捨て、フレスコ画のような映像をサブリミナル的に展開することによる、一瞬一瞬のインパクトや残像感にある。そこには特に深い意味はないため、私のように取扱説明書を全く読まず、事前学習よりも、とにかく見て触って感じて覚えないとわからないような右脳人間にはツボに入りやすく、常に予習や事前学習をし、論理的思考をめぐらし、頭で理解してから事に臨むような左脳人間のほうが難解に感じるのかも…と考えたりもする。無論、どちらが良い悪いの話ではない。

『フェリー二のアマルコルド』では、アントニオーニやタルコフスキー、アンゲロプロスの一連の作品を書いているトニーノ・グエッラが共同で脚本を担当したこともあって、この時期のフェリーニにしてはストーリー性の明快な作品となったが、その1本前に撮った本作は、ストーリーの完全放棄と、主人公の不在(一応、語り部はいます)、映像やシークエンスの断片化などを極端に押し進めた結果こうなったという、ある意味フェリーニ作品中最もシンプルな作品。その場面展開の脈絡のなさは、ルイス・ブニュエル監督の『自由の幻想』と双璧をなしているが、リレー形式で登場人物がバトンタッチする『自由の~』よりも、個人的にはブツ切れ感があるように思う。

この映画の中で描かれる、それぞれの「ローマ」は、現実とフェリーニのイマジネーションが混じった、混沌とした「ローマ」であり、おかしなほどデフォルメされているため、リアルなローマのドキュメンタリーかと思って観ると、とんでもない肩透かしを食らうことになる。だが、それぞれのシークエンスを観て、やはりすごいなと感じるのは、フェリーニ作品全般にも言えるのだが、大げさで独り善がりなイメージを羅列して映像化した、いわば“虚”の世界ばかりを観せられるのに、観終った後に感じる何かが、普遍的な“リアル”を伴っていること。「極端なデフォルメこそが現実を映し出す」という類まれなる作家性こそが、フェリーニの大きな魅力なのだと思う。
smoke

smokeの感想・評価

4.3
中世を狂気させた美醜交わる外観の都、ファッションの最先端を司る現在の都、その地が残した歴史的変遷を辿ることによってこの都が1日に足らずであることを証明している。

現在と過去、そしてそれが交わる第三世界としての未来が交錯する永遠の都、フェリーニはここに時代に淘汰されない不滅の永遠性を発見したのだろう。

この映画で表現されたローマに活きる人間賛美と遺跡賛美の記録はパオロ・ソレンティーノに受け継がれ、現在に於いてもローマを"追憶の都"として回帰させている。
キよ4

キよ4の感想・評価

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ローマの過去と現在を不連続なイメージの断片で綴ったローマ迷宮物語
街頭での夕食シーンの喧騒に満ちてゴチャゴチャで日本人には到底無理な溢れるパワフルさ
ハイウェイの喧しいクラクションと雨の音 それに馬や牛の死体や人力車などなんでもありの世界
娼館はおばちゃんだらけで誘いが逞しすぎて 抱く気にもならねえ でも遊んでみたい
何と言っても驚きは教会のファッションショー 聖衣が奇々怪々でキンキラで豪華 なんか紅白の小林幸子とエレクトリックパレードの合体みたい
音楽が好き
ストーリー性はほとんど感じられなかったが、広場のレストランで町の人が一緒にパスタを食べてるシーンがすごく良いよなぁ… アコーディオン弾きとかもいちゃってさ。
kappadokia

kappadokiaの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

あまり印象に残らない作品
協会のランウェイシーンとかはさすが!ってなる
あとはじめてローマに来てみんなでがやがや夜ご飯食べてるシーンが良くてご飯おいしそうすぎて一時停止してトマトのパスタつくって食べてしまった
フェリーニ作品としてはある意味『81/2』や『サテリコン』よりも破壊的な美に溢れた傑作で、これは言わばフェリーニによる都市論であり心象スケッチなのでストーリー性は皆無である。

どこか文豪ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』を思わせる"意味不明だが素晴らしい"と言わせる暗喩が多数あり、地下のトンネル開発や聖堂に群がるヒッピー、ラスト疾走するバイク集団といいかなりの突飛な映像が無鉄砲なまでに続く。

前作『サテリコン』での息苦しいぎゅうぎゅう詰め感は一気に解消し、フェリーニのやりたい放題な映像の喚起力はまさに圧巻。
ooospem

ooospemの感想・評価

4.0
子供同士がじゃんけんをしていて《あんたの負けよ》と言って巨大なぬいぐるみで頭を叩く、新入居者の手荷物をとりあえずチャンバラよろしく打ちのめしてピンポンダッシュ、屋外のレストランでエスカルゴを食べながら♪大変だ〜お姉ちゃんが犯された〜、と歌い出す少女、教会の中で突如ファッションショーが始まったと思ったらモデルがローラースケートで滑ってゆく、
ストーリーになんの一貫性も、もはや物語性もない、観客とのコミュニケーションなんて一ミリも考えていないだろうフェリーニの自己満足に振り回されている感がものすごい映画。それでいて大爆笑。こちらの嗜好など関係なく手放しに絶賛してしまうのだから偉大なり。

フェリーニの《サテリコン》を彷彿とさせるくるくる変わるシークエンスとどんちゃん騒ぎ、圧巻の美術、観てるだけでお腹いっぱい完全エンターテイメント。どこからともなく聞こえてくる音楽、いかにもなイタリア語と人間たちのでっぷりとした振る舞いがフェリーニらしい。

各シークエンスの基盤となっているのは、ローマにまつわるエピソードであること、それだけ。DVDジャケによると、
《少年期––––物憂い冬の日に教わった歴史上のローマ
青年期––––喧騒と猥雑のるつぼと化したローマ
現在––––長髪のヒッピー、マキシの女たちに占領されたローマ
そして、それらを皮肉った幻想のローマ》
とある。言われてみればそんな時代を感じられる気もする、そう観てみるとわけのわからぬシーンもまた面白みが増したりする。

フェリーニおなじみの、このカラッとした鑑賞後感。クセになる。
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