《〇〇こそが、人格を形成するのだ》
初めてのギレルモ・デル・トロ監督作品。
クリーチャーの造形が変にリアルで、生々しい。表皮の質から骨格まで、細部へのこだわりを感じる。
異形のヒーローだからこそ、そのこだわりは魅力的に光り、人類ではない何か、という違和を孕みながらも、強烈に惹かれるのだ。
魔界より迷い込んでしまった真っ赤な悪魔の赤ん坊。「ヘルボーイ」と名づけられた彼は、人類とともに超常現象に立ち向かう。
ヘルボーイは短気で感情表現が苦手であるが、それは「人間の心を理解したい」という願望の裏返しでもある。見た目のゴツさからは、想像できない繊細な部分が、ヒーローとしての魅力になっている。
そんな彼は、人類を守るため、仲間とともに奮闘し、同時に人間の心を知ろうとする。
まるで『美女と野獣』のような、美しい葛藤を描いていたからか、本作もどこかディズニー映画のような心地の良さを感じた。