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アパッチ砦のぉゅのレビュー・感想・評価

アパッチ砦(1948年製作の映画)
3.6
2021年 鑑賞 21-287-18
「駅馬車」等のジョン・フォード監督の、「騎兵隊三部作」の第一作目。第七騎兵隊の全滅/リトルビッグホーンの戦いをモデルにしており、功を焦る現場の実情を知らない司令官の無謀な作戦によって、軍隊が壊滅していくという筋書きは、後の黒澤明監督の「影武者」など、後年の作品に大きな影響を及ぼした作品。

南北戦争において、失策を犯してしまったサースデイ将軍(ヘンリー・フォンダさん)は中佐に階級を下げられ、アパッチ族との紛争が絶えない辺境のアパッチ砦に左遷させられる。早速、サースデイは娘のフィラデルフィア(シャーリー・テンプルさん)を連れて赴任した。そこには、現場の情勢を熟知している古参のヨーク大尉(ジョン・ウェインさん)や、後方部隊への配属を心待ちにしているコリングウッド大尉(ジョージ・オブライエンさん)などがいた。しかし、サースデイは軍規至上主義の武骨一点張りな石頭で、早速そこの砦の騎兵隊員たちの服装が乱れている事を指摘して、風紀を取り締まろうとする。そして早く将軍に戻りたいが故に手柄を立てようと、隊員たちに厳しい戦闘訓練を課したり、ヨーク大尉やコリングウッド大尉などと意見を衝突させていた...

モノクロ作品。OPの音楽最高!どこかで聞いているような?

先日鑑賞した、ジョン・フォード監督の「駅馬車」を思わせる、アパッチ族とのアクションの迫力!風景も最高!

ミッキーことマイケル・オローク中尉(ジョン・エイガーさん)と、サースデイの愛娘のフィラデルフィアのデート中に発見した壊れた幌馬車、ミッキーの隊の同僚たちの焼死体。一部しか見えていないのに、強い印象があった。

舞踏会シーン、ミュージカルっぽいシーン等もロマンスシーン多く、あくまで軍なんだと実感。そして軍らしく、手柄を急いだあまりの過酷な訓練、厳しく取り締まられる風紀、無理難題なミッションにより、溝が深まる、現場をよく知らない赴任してきた指揮官と、現場に長年いるベテランの中間層。

クライマックスの戦闘は、アパッチ隊の戦法の、賢さと、軍側の愚かさ、焦り過ぎが強調されている。某宇宙での戦争を描いた名作アニメシリーズの1作目でも言われていたが、「ビビりぐらいで丁度いい」。それを思い出した。

「駅馬車」主演のジョン・ウェインさん × 「荒野の決闘」主演のヘンリー・フォンダさんという組み合わせの秀逸さ!堪らない!
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