囚人13号

アパッチ砦の囚人13号のレビュー・感想・評価

アパッチ砦(1948年製作の映画)
4.8
信念を曲げないヘンリー・フォンダがここでは職権乱用も甚だしい悪となり、無論規律が第一の軍隊において彼に逆らうことなど許されない。

しかし決して偉大でも何でもない、凡庸どころかそれ以下でさえある中佐=指揮官が自らの過ちで兵士と共に散った"事実"に対して部下のジョン・ウェインは見事だったと"伝説"を口にする(だが偉大であったとは言わず、見事というのも死に様を指している)。
ここで早くも『リバティ・バランスを撃った男』を予告している真実より伝記を、という主題は歴史なる説話が醸成される過程には必ず影で我を押し殺し、妥協する者がいたという"真実"の確認に他ならず、ジョン・フォードの描く軍隊とは常にそのような場であるはずだ。
囚人13号

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