凜

カメレオンの凜のレビュー・感想・評価

カメレオン(2008年製作の映画)
2.9
2008年公開 FODで鑑賞

松田優作で撮影する予定だった脚本を、藤原竜也くんで現代風にアレンジ。

豪華俳優陣と彼らの演技は素晴らしい。
犬塚さん、谷啓さん、加藤治子さんのお芝居に心が浄化される。
とくに加藤治子さんが水川あさみさんに掛けた一言が、慈悲深いマリア様のようだった。

それだけにアクションが残念。
狭い空間で過剰なドリフトや、一つのテーブルを無駄にグルングルン回る格闘戦ほか。バイクのイキリ倒しも謎。
監督の意図は何かしら。主演を引き立たせるため?

それを象徴していたのが警察で藤原くんがつけたマッチの火ががボール球ぐらい大きくボワッ!と着火したことに尽きる。
これはコントなのか?

藤原くんが出る映像作品のいくつかに感じることがある。
彼の演技と作品に差(ミスマッチ)があるのだ。
おそらく監督、演出家、脚本家…の誰かか複数人かが、彼を使いこなせていないのではなかろうか(これは小栗旬くん作品も同様)。

彼の中にあるナニカを生み出し、引き出し、爆発させたのが、蜷川幸雄であり、深作欣二であり北野武であった。

ああ、これ、松田さんがやったら似合うだろうな…
けっして藤原くんが悪いんじゃない。
仕方のないこと…。
凜