ゴン吉

椿三十郎のゴン吉のレビュー・感想・評価

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.0
黒澤明監督の「用心棒」の続編ともいえる旅浪人侍の活躍を描いた時代劇。 
原作は 山本周五郎の小説「日々平安」。 
黒澤明が監督と脚本を担当し、 三船敏郎が主演、仲代達矢、加山雄三、小林桂樹、志村喬、藤原釜足、土屋嘉男、田中邦衛、平田昭彦、入江たか子、団令子らが共演。
2007年には、織田裕二の主演でリメイク作品が公開された。  

社殿で九人の血気盛んな若侍たちが藩の重役の汚職を告発しようと密談していた。その中の井坂は、叔父の城代家老に意見書を届けたがなだめられたに対して、大目付からは前向きな言葉を貰ったことから大目付に期待していた。社殿の奥でそれを聞いていた浪人が、城代こそが頼りになり、大目付は信用が置けないという。そんな折、社殿は大目付の一派に取り囲まれてしまう…

三十代の主人公の浪人侍が名を聞かれた時に、屋敷の椿が目に入ったことから、”椿三十郎”と名乗る。前年に公開された黒澤明監督、三船敏郎主演作の「用心棒」(1961年)とシチュエーションがよく似ており、嬉しいオマージュシーンである。ちなみに「用心棒」では桑畑を見た主人公が”桑畑三十郎”と名乗っている。
三船敏郎が渋い役をコミカルに好演しており、観ていて飽きない。
大目付の人質となり助け出された奥方と娘や、逆に椿三十郎らが捕えた侍には緊張感がなくて笑いを誘う。
椿三十郎と大目付の策略合戦も楽しめる。
クライマックスは椿三十郎とライバルの用心棒侍の居合抜きでの勝負。
ものすごい量の血飛沫が吹き出るシーンは圧巻です。
「こいつも俺も鞘に入ってねえ刀だ でもな あの奥方が言った通り 本当にいい刀は鞘に入ってる おい おめえたちも大人しく鞘に入ってろよ」 

2024.1 NHKで鑑賞(BSプレミアム)
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