はる

椿三十郎のはるのレビュー・感想・評価

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.4
織田裕二のリメイク版を見ていたからストーリーが分かってしまって残念だったけど、その分、三船敏郎と仲代達矢の凄みをより感じることが出来ました。
結末を知ってるとはいえ、リハーサルなしの一発勝負で臨んだという圧巻のラストシーンはすごく楽しみでした。

NHKのドキュメンタリー「黒澤明の映画はこう作られた 〜」によると、仲代達矢は黒澤監督から「トイレに座っている時に襲われたらどうするか?」と聞かれて、「ふつうに刀を抜いたら壁に当たる。上に抜くしかないですね」と答えています。
「そうだよそれを稽古してくれ」という指示があったそうです。
本番では一瞬のうちに眼の前が真っ赤になり、血の噴出の勢いで倒れそうになるのをグーッとこらえてゆっくり倒れた。と話していました。
これで一発OK。
監督の思い通りに演じられる三船敏郎に近づけた瞬間だったそうです。

映画史に残るとも言われる名シーンなのでこの切り取られたシーンだけは見たことがありましたが、映画を最初から見た流れでのラストシーンこそ圧巻でした。
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