NaoMaru

きみに読む物語のNaoMaruのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
3.8
ニック・カサヴェテス 監督作品

アリーは認知症の高齢者。デュークがたびたび訪れ、物語を読み聴かせる。物語はアリーの半生を描いた自伝で、過去を思い出して認知機能を高めるための回想法だと気づいた。

映画はアリーの老年時代と主要な青春時代を描く。彼女は裕福な生家で育ったお嬢さん。ある夏、清貧な生家で育った青年ノアと情熱的な恋に落ちる。彼女の母は彼との交際を諦めさせようと、彼の手紙を娘に届かぬよう画策。第二次世界大戦をはさんでアリーはノアをだんだん忘れ、家柄のよい弁護士ロンに惹かれていく。いよいよ結婚となったとき、アリーは母から真実を聞き、自分の気持ちを確かめにノアを訪ねていく…。

後になってアリーは、母も結婚前に自分と同じ状況だったと知る。人生における究極の選択「安定」か「冒険」か。正解はないだろうし、間違えたなと思えば修正も考えられる。結婚しても先々まで仲良く暮らせるかどうか、誰にも保証はないのだから。老年時代、彼女の自伝を読み聴かせていたデュークは…やっぱり、そうだったんだ。エンディングは各人が思い描く結末でよいと思う。
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