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きみに読む物語のCureTochanのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
3.7
機内で家内が観ていたのを横からチラ見。最近、コスト削減のせいか機内上映から、新作映画の割合がめっきり減って、すっかりアマプラみたいな品揃えだ。

しかし本当は、映画館で観るべき作品だろう。素晴らしいカメラワークで、あの小さいスクリーンでは申し訳なかった。

ただ本作、ラブストーリー版のアルマゲドンとも言われている(?)。毀誉褒貶が激しく、特に女の権利が侵害されててオフェンシブに感じる人達と、アルツハイマーはあんなに都合よくねーよという医療関係者の意見が、英語のネット上には散見される。だがいずれも、アルマゲと同じく要するにハマれなかった人があらを探してるだけともいえる。それでもその責任は制作側にあるし、私もこのオチはファンタジーすぎてどーかと思う。アルツハイマーがどうとか気にならなくなるほどのオチを思いつかなかったことが惜しい。

私個人はライアン・ゴズリングの猿顔が好きじゃないし、「ドライヴ」という映画でもまったく感心せず、なぜ主役に選ばれるのか不思議だった。だが本作を見て、たしかにいいところもあるなと思った。一方で彼ではなく、リバーランズスルーイットのときのブラピだったり、ファンタスティックフォーのときのクリエヴァとかトムホなら、と考えてしまう。ヒロインは私の好きな女優だから、ほかの組み合わせを見たい。ほぼ彼女のプロモビデオだと思って観ていた。

主人公というか男のほうが、高いところから飛び降りるって脅したりして彼女の気を引くプロセスがおかしい、というのがフェミ的な意見である。どこを好きになったのかわからないと。だが親に支配されている当時の17歳の恋愛として、説得力がないとは思わなかった。若い彼らをドライブするのは無意識的にだが、ごくシンプルな性欲なのであり、テイラー・スウィフトのThe way I loved youにさも似たり。そういう感想を書いてるブログもあった。テイラーの歌では、それでも一人目の彼に戻るってわけではない。必ずドアを開けてくれる2人目の彼氏と結婚するのだ。ジェームズマースデンがバッチリ適役だけど、この人も目が近い猿系ではあるな。主役といい、昔風の顔ってことなのかしら。ジーサンになった主人公は猿顔じゃなかったな(^_^;)

でも本作、最大の問題は、ちょっと主人公が感情移入しにくいという点にある。相方がボケたら自殺するとは、よほど他の家族が嫌な奴なのだろうかとか、あの若い頃が最高でそのあとは死ぬほどつまんなかったのかとか考えてしまった。ここに説得力がほしかった。
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