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ゆきゆきて、神軍のpersimmon1aのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
5.0
数年来見たかった、見るべきドキュメンタリーをようやく。

奥崎謙三や彼の活動方法には賛否両論あって当然で、頭の線1本切れてるし、論理も、ん?と思うところがないわけではないけれど、正直ベース、誤解を恐れずに言うと私は奥崎謙三という人間、奥崎謙三という存在に嫌悪感はありません。

天皇の戦争責任は戦後最大とも言える日本社会での根本的な問いであり、実際ヒロヒト本人は責任を認め謝罪声明をしたかった苦悩が、侍従長だかの手記に残されているらしいが、GHQが国体ではなくとも、存在を残さなければ国家統制ができないと考え、裁判にもかけられず、象徴というある意味なんともあいまいな形で天皇が存続することになったと、NHKのドキュメンタリーで見ました。この「象徴」部分の穴埋め問題は、中学の公民のテストで必出だったのを思い出します…

奥崎謙三という人間を生み出したのも、戦争の副産物と言え、原爆を含めるのは言うまでもなく、そんな唯一無二の戦争経験をしてきたのが、この国だというのを改めて思い知らされるドキュメンタリーです。

点数はつけがたいですが、他に比類する作品はないという意味で5です。
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