クマゴロ~

鉄道員(ぽっぽや)のクマゴロ~のレビュー・感想・評価

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
3.8
auのビデオパス、無料放映で観た
当時はかなり話題になっていつつも観る機会なく過ぎていた。驚くが高倉健初めてかも!?
堅物過ぎる鉄道マンの話。家族がいかなる時も自らの考える時間を職務を全うする。とはいえ、めちゃくちゃな仕事優先のエピソードは無い。
雪子の幼児時代の演技やラストの小林稔侍の運転台セットのチープさから映画予算が無かったのかと思ってしまうが、キャストは豪華といえる。
大竹しのぶはずっとひっかかっていた。この映画にこの人は必要なのか、他の人でもやれるのではと思っていたけどいやいや、病弱でありながらわずかな幸せを爛漫に表現し、妻を演じるのは彼女でしかと思わせる。難しい役どころ
広末涼子、実年齢に近い役どころだったと思うが見事といえるのではないか。特に広末らしい細める目、口の形での感情表現などはそのまま取ればカワイイと言えるのだが違う、語らぬ俳優たちと共に彼女も見事そうなのだ。
そして高倉健。なるほどなるほど、うまいなー。そして本当にぽっぽやがよく似合う。
色のトーンは全般的にワンメイク。現代はカラー、過去はよりワンメイクさが強まる。ただ赤は表現される。列車の赤なのだが、この赤は私の郷里、兵庫県多可郡で走っていた鍛冶屋線もそうであった。高度成長の鉄を、彷彿とさせる、あの鉄の赤。この赤がいろんな時代を彩る。そしてセリフにもある、あの泣かせる汽笛。ほんまにいい音と美しい雪の大地。
無くなるにはもったいない風景だが持続できないインフラ。
ラスト30分まではだらだらと観てしまったが最後はすっかり感動した
「お父ちゃん、今まで何にもええ事なかったやろ」という声かけにある、幸せの構造
死に方としてはある意味最高で羨ましがる人も多いのでは?
それにしても、お寺さんは雪子であることを電話でどのように伝えたのだろうか。そこから始まる優しい展開を思うと色んな想像ができて。。。