土竜林檎

ホーリー・マウンテンの土竜林檎のレビュー・感想・評価

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)
4.5
この作品を観る人に言いたいことがあります。先にDUNEのドキュメンタリーを観ることをお勧めします。私もレビューしているのでぜひそちらもどうぞ(マーケティング)この作品はカルト映画の中のカルト映画です。

あらすじは簡単でキリスト風の男が錬金術士に導かれて弟子とともにホーリーマウンテンに向かうと言った話でこれだけでは普通、もしくはZ級映画なのですがそこはカルト映画監督アレハンドロ・ホドロフスキー。

見るものを圧倒する美術と独特な世界観によって私達は彼が作る「映画」に見入っていきます。
例えば最初の黒ずくめの男と二人の女が出てくる。するとその男は二人の女の髪の毛を切っていき、坊主にして二人の女を対面させて抱きかかえる。するとカメラが引いていき、まるでその場所は宇宙のような鮮やかな場所だったり、有名な人糞が金になったりと不思議な人、出来事がある。それがこの「映画」の魅力です。

あと私はこの「映画」は宗教的要素が強い作品だと思います。
例えば前半の約40分はほとんど台詞がありません。あってもそれはモブキャラが発する言葉だけ。
でも主人公が錬金術士の部屋に入り、首にあるコブを錬金術士にとってもらった途端言葉を話すようになる。これは私の解釈ですが聖書の中にあるアダムとイブの禁断の果実的なものだと思います。
次にその錬金術士に主人公が錬金術を学びます。
この錬金術をホーリーマウンテンに行く途中にある貧しい人達の為に石をパンに変えるために使おうとしたりするなど他随所に暗喩?を散りばめています。

最後にラストですがあれにはそうきたかというラストなんですが、私は少しだけ疑問に思います。是非オススメです。
土竜林檎

土竜林檎