映画 ドラえもん のび太と緑の巨人伝の枯井戸星のネタバレレビュー・内容・結末

全部は見てないからわからないが、映画ドラえもん最高傑作なのではないかと思う。

核爆弾がキノコだけでなく木の形にも似ているというワンアイデアでここまで話を広げるのはすごい。

長老がチートすぎるのがキズになりかねないが、タイトルにもあるように、ＳＦ的なえぐみのある展開も備えつつ、志向してるのは伝説のドラマトゥルギーなわけだろうと思ったので、気にならなかった。
伝説的・魔法的な畳み方をする必然性もあるシナリオだし、むしろ美点だと思う。ドラえもんの役割が長老に移譲されてる異様なシナリオ。

ただ子供にとってどれくらい面白いのかは疑問。特に姫の人物造形は異常で、支配者像としてリアルすぎる。大人でも理解できない人の方が多いのではないだろうか。
昔映画館で見て、ドラえもん離れするきっかけになってしまった作品でもある。やっぱり藤子先生の作品で、かつ昔のフォーマットじゃなきゃやだという先入観にも、子供なので振り回されていたかもしれない。それだけに敬遠していたが、押山清高の作画が見たくて見返して、ほんとうによかった。押山の仕事はもちろん素晴らしかったが、それがどうでもよくなるくらい、素晴らしい作品だった。

追記:
監督の渡辺歩はこの作品を駄作だと考えてるらしい。作品の支配者が作品を信頼していないわけで、制作が作品の写像になってしまっている。
まあ、ここまで変な映画ができたのが、脚本家か、プロデューサーか、誰の手腕なのか知らないが、とにかくあっぱれと言いたい。