オーストラリアの知識が杉本良夫氏の著作くらいなころ、「裸足の1500マイル」を観て衝撃を受けた。【白豪主義】の暗黒面が印象付けられたが、、それでも、まだまだ本質が見えていなかった。
それから10年後、この映画に出会い、ハンフリーズの原作『からのゆりかご』も読んだ。なかでも、太平洋戦争で日本軍から攻撃を受けたことが、戦後のオーストラリアの【白人入植】と【児童移民】政策に繋がったという記述は、目からうろこだった。
ハンフリーズの長年の活動の一端が、ドキュメンタリー番組で紹介されたが、映画やテレビでは描ききれない重みが、この【児童移民政策】問題にはある。
オーストラリアは【白豪主義】を捨て、多文化社会へと舵を切ったが、日本は、少子高齢化が既定事実となったいまでも、まだ【単一民族による鎖国主義】を捨てきれずに迷走し続けている。それで不幸になるのが日本人だけだったら、自業自得と笑えるのだけれど…。