原因だったはずの親たちについてほとんど語られないし子供たちが受けた仕打ちばかりが描かれるけどそれも孤児施設一般に在りうる問題だと思えるしなんで移民までさせてしまったかという点も描かれぬまま。描き方も一方的で苦手。
最初に移民ありきの政策だったとしても、そこいらの子供拉致してオーストラリアに送り込んだわけでもないだろうし。手放した親の話って重要だと思うし、移民政策についてももう少し描いてくれたってよさそうなものだと思う。
ひとつの問題が起きたとき「だからどうすべきか」を考えるのが必要であって、そのためには「なぜそうなったか」という点はとても大切だと考える。その「なぜそうなったか」「だからどうすべきか」を考察する上で「治めている側の事情」というのもきちんと考察すべきだと。
ざっくりと言えば、この世は完璧ではなく、未だ過渡期であって、システムへの不平や不満を言うのは簡単だけれども、「そこに手が回っていない事情」を抜きにして一方的に当事者を責めるだけという姿勢は好きじゃない。
同様の理由で親父さんのケン・ローチ監督も苦手だけど、その親父さんでさえやらないあざとい手法も使うし。音楽の入れ方とか。この監督はとにかく苦手だ。