カネコ

サイレントヒルのカネコのレビュー・感想・評価

サイレントヒル(2006年製作の映画)
3.6
あのプレステのゲーム”SILENT HILL”を実写映画化。
サイレントヒルといえば霧の立ち込めた表の世界と血とサビに埋め尽くされた裏の世界を行き来して謎に迫っていくストーリー。

視界1メートルの中敵が近づくと持っているラジオからノイズが聞こえるヤバい演出と裏世界の閉塞感が恐ろし過ぎて自分でプレイ出来ずゲーマーの弟のプレイを隣で見ていた思い出。それでも相当怖かった。

そんなゲームの実写化は監督がサイレントヒル大好きで自ら映画化に名乗りを挙げただけあって表と裏の世界、クリーチャーがかなり忠実に再現されてる。
一番怖かったのはナースのシーン。
あんな所通過するって考えたら心臓が持たないと思う。

ゲームのオープニング曲が映画と一緒でプレイしたことがある人ならかなり引き込まれると思う。

1のストーリーを元にしているけど主役は父親ではなく母親に変更されている。

この母親、初手から全く共感出来ない。
なんで廃村に子供連れて行く?しかも夜中に?
事故った後に誰か!!って叫んでも廃村て分かっててここまで来たよね?

でもサイレントヒルに向かうって決めた時から娘の意識(というかアレッサの意識)に取り込まれていたのかもしれない。

サイレントヒルは地下火災の続く廃村だけどアレッサの強い憎悪の意識に取り込まれた者があの霧と闇が交互に襲い掛かる世界にたどり着く。

事実父は妻と娘を探しているけど同じ場所にいても次元が違うのですれ違う事しか出来ない。
父親も必死で娘を探す為に乱暴な事までするけどサイレントヒルの世界に行けないのはアレッサは父親を求めていないからかもしれない。
アレッサは学校の清掃員に性的虐待を受けていたように連想させるシーンもあったので男性には強い嫌悪感・排除したい思いがあるのかも。
とにかくラストまで父親が蚊帳の外で可哀想ではあった。

途中でアレッサの母ダリアが出てくる。
ダリアはこの世界では魔女として虐げられてるけど本当は娘を守る事が出来なかった事を後悔している心の弱い人間で精神を病んでいる。
裏世界でもクリーチャーに襲われないのは母親だから。

最後娘とアレッサの人格が統合されて結局2人は元の世界に戻れないのは後味悪くて素晴らしかった。

あとシビルは救われて欲しかったな。なんだかんだ巻き込まれて一番酷い最期だった。
カネコ

カネコ