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エリザベス:ゴールデン・エイジのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.6
前回カトリック派のメアリーの後に英国の女王に登り詰めたエリザベス。

内側はまだまだ旧派とのいざこざがあり、外側はそのどさくさ紛れでエリザベスや英国を好き放題にしようと目論む外敵も多い。

その中で弱さを見せず毅然と振る舞い、何とか国を収めながら自らの威厳とアイデンティティを守ろうとする女王、エリザベス。

ケイトブランシェットの元々の迫力が女王の気質や気品、風格にとてもマッチしている。
その続編。

相変わらず旧派がナリを潜めながら英国の転覆を目論む。
それを牽制しながら、即位しただけに留まらず更なる野望のため、覇権を揺るぎないものにしていこうとする女王。

そろそろ後継だ、その前に夫だ、と政略的な活動もしながら、旧派に命を狙われながら。
どんな時でも内心を隠しながらどしっと構えて余裕をかまして相手に隙を見せない、まさに鉄壁の女。

それでもうちに秘めたる女王が故の恐怖や悩みや葛藤がある。
今回はその辺りが、新たに現れた海賊の男によってジワジワと滲み出てくる。

海賊の男、クライヴオーウェン、この男、渋くてカッコいい。
無骨な感じだけど、哀愁を身に纏い、鉄壁の女の心中を察して投げかける言葉の優しさ。

内政も外交も、再び起きるメアリーが絡む陰謀も、もはや誰を信じて良いのか、どこに向かうべきかも全くわからなくなっていく。
その中で、新たにその外側からやってきた新鮮で未開拓の知識や雰囲気を持つこの海賊風情の男が彼女の精神的な拠り所になるが、、、。

メアリーの陰謀が明るみに出てきて、そこからいよいよ止められない彼女の戦いが始まる。

敵が多い中で女王として即位し、この状況を切り抜けようとする彼女の重圧。
女王として手に余るほどの多くを求められ、その全てに手を打たねばならない彼女の苦悩と覚悟。

どこまでいっても付き纏う“孤独”。求めれば求めるほど離れていくような。
女王として毅然と振る舞えば振る舞うほど、本来女性として求めたいものが手から溢れていってしまうような。

悲しみと切なさの中で強く生きようとするエリザベス女王。ケイトブランシェット、スゴい迫力。

クライヴオーウェンしかり、実はエディレッドメインが出てたり、要所要所にしっかり存在感がある俳優も揃っていて、各方面の動きに力強さがあって、本当に女王の苦心が伝わってくる。

そこからの後半の女王のスペインとの戦場への出陣と戦場。
前作にはなかった見た目の派手さと動きがさらに女王の風格を押し上げてきた。

本当に苦難の連続を、荒波を乗り越えようとする孤高の“ヴァージンクイーン”、エリザベス、恐るべき生き様。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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