konoesakuta

ナイロビの蜂のkonoesakutaのレビュー・感想・評価

ナイロビの蜂(2005年製作の映画)
4.6
最初、ジャスティンは実直だが主体性が無い。健気にテッサの軌跡をたどっていくが頼りない。テッサの本質に迫っていく過程で彼は彼の本来を獲得していく。

信念を持ち果敢に散る闊達な妻をもってして、やっと見渡すことができた異国ナイロビのスラム。スーダンの辺境。トゥルカナ湖。アフリカという巨大な暗黒大陸に暗躍する陰謀に対し、弱弱しく立ち上がる英国紳士のかすかな抵抗を心から応援してほしい。

誰もが引き留める中、テッサの遺志を引き継ぐ唯一の存在となっていく夫ジャスティンの生きざまを目に焼き付けてほしい。