青豆

殺人の追憶の青豆のレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.9
キネマ旬報で00年代海外ベスト作品に選ばれていたのを見かけて、観てみることに。
実際の事件が題材になっているわけだけど、中盤まで自白の強要や暴力的な取り調べ、証拠の捏造などがちょっとふざけた調子で続き、やれやれ…と思いながら観進めた。が、ヒョンギュが登場してからは空気がシリアスな方向に一変し、取り調べの際の刑事たちの顔つきの変わりようだったり、ヒョンギュの人を惹きつける雰囲気にどんどん引き込まれていった。
自分は(そして多分皆が)ソ刑事目線で観進める形になったんだけど、その真っ直ぐさ、必死さ故に行き詰まり病んでいく様子に共感し、驚かされ、また魅了されました。なんかその姿に色っぽさまで感じてしまった。
実際の事件は昨年犯人が逮捕されているらしいけど、それがわかっていてもこのラストにはゾクっとするものが。ストーリーの展開させ方など、後のパラサイトにも通ずるところがある気がした。
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