リアルタイムで劇場で鑑賞した作品。公開当時、前評判が高過ぎてどんなに凄い映画かと思ってワクワクしながら挑んだのだが…❓
超シリアスな題材の割にはフワフワしたTVドラマみたいな作風で重厚さの欠片もなかった。掘り下げが甘いのかな？
主演のソン・ガンホは名演だったがこの監督の「ウケ狙い」的な演出が大いに興を削ぐ一作。この手のサスペンス映画にベタなギャグは要らない。これならまだ『ゾディアック』の方が怖い。
意味深なラストも余韻が残るというよりは、何だかシックリ来ないモヤモヤした不完全燃焼感だけが残った。「どこにでもいる普通の人」が延々と子供ばかり殺している辺りはイーストウッドの『ミスティック・リバー』にも通じる不条理テイストがある。
田舎の猟奇殺人事件にスポットを当てた所はコーエン兄弟の『ファーゴ』みたいだし、何かとこの監督はオタク特有の元ネタ探しして下さいみたいな下世話な感じが匂っておりそこが個人的にちょい苦手…。
