naorin

殺人の追憶のnaorinのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.5
韓国で80〜90年代に実際に起きた
連続殺人事件をモチーフにしており
事件の詳細も作品も正直すごく
胸糞だけど、最近になって
犯人が判明したと知って再鑑賞。

2003年に公開された
この作品の中では
有力な容疑者がトンネルの闇に
消えていく描写によって
事件の迷宮入りを暗喩していた。
確かに事件はその後
時効が成立してしまったが
最新のDNA鑑定のおかげで
別件で既に服役中の男の犯行で
あったことが明らかになったそう。
科学捜査の進歩万歳。

凄惨な事件を取り扱いつつ
シリアスなサスペンスと
シニカルなコメディの狭間で
観る側を翻弄する悪趣味さは
いかにもポン・ジュノ節
という感じ。
笑えるシーンも
笑っていいのかわからない。

あの夜の二択、
犯人がもし
もう一方を選んでいたとしたら
その後の線路でのシーンで
ソン・ガンホ演じるパク刑事と
キム・サンギョン演じるソ刑事の
立ち位置は
逆になっていたのかもしれない。
ソ刑事のその後が
描かれていないのも意味深。

なんと犯人はこの作品を
獄中で観たという。
ラストシーン、画面の中のパクと
視線を合わせた時
彼は一体何を思ったのか。
naorin

naorin