りょうた

地下鉄のザジのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

『ルシアンの青春』以来のルイ・マル。一年前の同月に見ていたが、あまり記憶に残っていない。先ほど予告編を見返したがタヴィアーニ兄弟の『サン★ロレンツォの夜』と混じっていたようだ。『ルシアン……』は第二次世界大戦期を描いた作品でシリアスな印象があったが、感覚としては今作は全く毛色の違うポップなコメディ。映画はフィクションですからと言わんばかりのやり放題でひたすら戸惑うが、別にここまでやってもいいのかとも思う。リズミカルで混沌とした世界で観ていて無性に心地よい。母親役はロブ=グリエに出てくる蠟人形のような無表情で不気味だと思うと、笑っているし、ダンスホールは収拾がつかない感じで、白熊の着ぐるみを来た人間がいて、君、エッフェル塔にもいたよねとか、そもそも何で喧嘩してるんだったけ、これは夢の世界やったけ、そうか映画かと、兎に角翻弄される。それでいて滑っていない。それにしても何だろうかこの「軽さ」は。
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