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パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.7
もうこの世界に“生”と“死”を分ける判断軸がなくなる。

『パイレーツ•オブ•カリビアン ワールド•エンド』。

前回の『デッドマンズ•チェスト』での怪物クラーケンとの戦いを経て、世界の果てに幽閉されたジャックスパロウを救出するところから始まる。

もうこの始まり方からもう大変。

あんまり覚えてなかったけど、あの大陸系の有力海賊はチョウユンファだったんだな。
恐ろしい存在感。3作目にポッと出てきてもまったく引けを取らないインパクト。

そして、何回か観てやっと意味がわかった。
東インド貿易会社とデイヴィジョンズ、ジャックスパロウとバルボッサ達、この利害関係とか、同盟関係とか、どっちがどっちと何のために戦ってて、今どっちにこいつは裏切ったのか、とかがなかなか難しい。

それもこれもジャックが、フワフワした態度なクセにめちゃくちゃ先を見てしたたかにしてるから。

何だかんだと全てを見透かしながら、周りに本当のことを言わずに、同じ方向に向けさせる。

そして、向けさせて、進めさせて、自分はまた違うことし始めて、次の周りに本当のことを言わずに、同じ方向を、、、と。

ややこしいわ!

割と中盤までそんなあれこれ色んな人が色んな思惑で奔走する。だから、少し焦ったい。

が、後半。
“カリプソ”って誰よ?とか思ってると、カリプソ、解放されて本気を出す。
これがキッカケとなり、一気に有象無象が集結して始まる海の上の戦いの迫力たるや。

当時のCGの技術力最先端という感じだが、この海の上の戦いを人の動き、海・風の動き、船の動き、それらを巧みに操ってこうも魅せる画を作る。

話はややこしく、バルボッサも、エリザベスも、ウィルターナーも、デイヴィジョンズも奔走しながらスパロウに惑わされながら自分達も自分達の宿命がよくわからなくなって来てる。

その様を必死に見届けながら、エンタメとして壮大なスケールと映像で魅せるこのシリーズ。

まだあと2つあるんだからとんでもないシリーズであることは間違いない。
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