ジョンマルコビッチ総統

恋する惑星のジョンマルコビッチ総統のレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
4.4
念願の鑑賞。
小さな子供だった90年代、香港という街に憧れていた。多分テレビでこの映画の予告を見たんだと思う。はっきり記憶にはないけど。
街に突っ込む飛行機。
猥雑でビビットな色の洪水のような街並み。
フェイウォンの夢中人。
香港という街の妖艶さと爽快感が、混沌と透明感が、懐かしさと新しさが、相反するものが全て共存する不思議な空気感が、心のどこかに焼き付いて憧れになっていたんだと思う。

クリストファードイルの水分を含んだうっとりするような映像、錯綜する男女、わたしが思春期以降だったらもう一瞬でノックアウトだっただろう。

役者陣も素敵だ。
ボーイッシュなのに可憐なフェイウォンとキッチェなのに儚げなブリジットリン。たくましさとフェミニンさが共存する魅力的な女性陣。
男性陣はかっこいいのにすごく繊細で、ため息の出るような色気たっぷりのトニーレオンも、初々しい純粋さがキラキラした金城武も、その弱さがとても愛らしい。
男女どちらの登場人物たちにも本当に恋をしてしまいそうな、そんな素敵な映画。

ウォンカーウァイ監督の映画が、もっと見たくなる。

こんな胸がいっぱいになるような恋愛映画はひさしぶり!良かった!