シャチ状球体

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望のシャチ状球体のレビュー・感想・評価

4.7
シークエルという人災から約4年と3カ月。6月に迫った『アコライト』の配信を前に、Filmarksを始めてから一度も振り返ってこなかったこのシリーズと向き合う時がついに訪れたのであった……。(ここまで前置き)

EP4は文句なしの傑作で、例を挙げればきりがない。
砂漠の惑星タトゥイーンに共存(?)する様々な生態系、本編よりも前に怒ったらしい重要な出来事、人間だけではない個性的なキャラクター達、何物でもない青年(ここ重要)が帝国の支配に抗うために立ち上がる王道展開、公開当時としては新鮮だったであろう戦うプリンセス像、ジョン・ウィリアムズ作曲の壮大な音楽、迫力のあるSE、歴史の一部だけを切り取ったように綿密に構成された世界観……どこを取っても知的好奇心をくすぐられる映画だ。
シークエルが優れているのはジェンダー観くらいしかない(だからシークエルを完全に嫌いになれない……)

C3POがコメディリリーフとしてシリアスな雰囲気を壊したりテンポを損ねない程度に活躍しているのも意外と忘れがちだけど、本当に脚本が完璧。
伏線を残しつつ戦闘が一区切り付いたところでの流れるようなエンディングもカタルシスがあり、映画の教科書といってもいい。

少しの間だけでもシークエルの悪夢を忘れられるという意味でも観返してよかった。しかし、フォースの乱れという名のシークエルは必ず目の前に現れ……冬来る。特にEP9に備える覚悟はまだまだ足りない……。
シャチ状球体

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