伊藤チコ革命的cinema同盟

熱砂の戦車軍団の伊藤チコ革命的cinema同盟のネタバレレビュー・内容・結末

熱砂の戦車軍団(1969年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

48.
エモイ。こういうの大好き。立場の異なる男が絆を深めていく展開が大好きだ。
舞台は北アフリカ。イギリス軍のブラッドレ(実在の人物)は地雷敷設作業中、ドイツ軍の攻撃を受けて仲間がバラバラになってしまう。数人の部下を連れて砂漠を横断して味方の陣地に行こうとするけども、途中迷子のドイツ戦車と戦闘に入る。ここでイギリス側は一人負傷、ドイツ軍側も戦車が使えなくなり降伏。お互い窮地なので協力してイギリス軍に向かう。
水を巡る争いが生々しい。各人の過去のトラウマの回想が差し込まれ人物描写の掘り下げを行う。個人的には癖のある人物たちが存分にかき分けられていて、楽しかった。
やがてジープもガソリンがなくなり、両軍の将校が陣営目指して歩くんだけど、ブラッドレーは余計なことに地雷敷設の話をしてしまう。ドイツ軍将校のハインツは、スパイ活動をしていた婚約者が非情な掟でイギリスに殺された過去があり、イギリスを憎んでいた。
ブラッドレーの情報と水筒を奪ってドイツ軍戦車に合流、ブラッドレーを捕虜にする。絶対絶命のブラッドレーなんだけど、後方に残してきた部下たちが水を巡って殺し合いを始めていたことには気が付かない。最終的に生き残った一人が戦車の前に現れて、キャッハー!!!とドイツ兵を虐殺し自分も死ぬ。立場が逆転してブラッドレーが主導権を握り、戦場に趣ラストに繋がるのだ。
ハインツもこの手合いの映画にありがちな、『ナチスだけどいいやつな』人物造形なんだけど、こういうテンプレ私好きで、エモイエモイ。