このレビューはネタバレを含みます
ずしりと心にきた。救いようがなくて苦しい。
私たちがある登場人物に感情移入するのは本当にその人物の視点に立ったとき(POVなど?)でなく、実は観客がその人物より多く情報を得ていて(多くの場合そうだけど)、「こうなのに…!〇〇、気づいて!」ともどかしく思うとき、という話を聞いたことがある。途中でやけにペドロの行く末を案じたり憐れんだりしたのはこのためか、と思った。そのまま帰って所長に泣きながら伝えればどうにかなるかもしれないのに…ハイボが盗った、って言ってしまえばいいのに…と思っても彼はその行動には至らないし、至れないんだろうと思うと切なかった。
色んなところに現実、または現実に対する悟りみたいなものが散りばめられていた。
5年前に旦那が亡くなったにしては子供が小さい…とか、ペドロがショーウィンドウを見てるシークェンスとか。直接言わなくても、セリフがなくてもちゃんと分かるんだよなぁ。それがすごい。
そしてやっぱり足フェチらしい。